Everything Went Fine

残された時間で「遺す」ブログ

IP療法(イリノテカン/シスプラチン)

March 2021


 

結論から言うとIP療法は私には合わなかった。

そのためわずか1クールで終了となった。

 

抗がん剤の副作用というと真っ先に思いうかぶのは「吐き気」だろうか。

「吐き気」もかなりつらいのは間違いないが私にとって致命的となったのはイリノテカンの副作用である下痢。

これを続けるのは絶対に不可能だと判断し、EP療法に自分から変更を願い出た。EP療法はIPと優位差はないとされている。

(ちなみに婦人科ではEPの実績がないと言われたが最終的にカンファレンスでまぁいいでしょうと許可が出た)

 

IP療法のスケジュールは以下。

 

Day1

シスプラチン

イリノテカン

 

Day8

イリノテカン

 

Day15

イリノテカン

 

1週目入院で投与

2週目、3週目は外来で投与(初回は

2週目も入院)

4週目お休み

 

というサイクルで通常は6クール続ける。

 

初回は10日ほど入院した。

個室を希望したが空いておらず4人部屋へ。

前の病院とは何もかもが違いすぎて気持ちは落ち込む一方だった。

 

入院初日

ここでの主治医と初めて会う。

若そうに見えるがどこか掴みどころのない印象。

ここでもまた厳しいことを言われて落ち込んだ。

 

薬剤師さんが薬の説明に来てくれる。

すごい勢いでずーーーっとしゃべっていて(どこか義母を彷彿とさせる)この薬剤師さんと話すとどんなに落ち込んでいても気持ちを立て直せた。

 

入院2日目

吐き気止めを事前に飲み、お昼前頃から投与がはじまる。

はじめは吐き気どめなどが投与され1つ終わるごとに袋が付け替えられて次々と進んでいく。

抗がん剤が入るときは看護師さんが10分間側について異変が起きないか観察される。

 

イリノテカンの投与が始まり15分くらい経った頃、急に喉のあたりに込み上げるものがあり必死につばを飲み込む。お腹がゴロゴロし出し点滴を引き連れて2回ほどトイレに行った。

シスプラチン投与では何の異変も起きず眠くなって寝ていた。

 

こうしてアレルギー反応など重篤な副作用は出ず、初めての投与は無事に終了した。

 

その日の夜。

イリノテカンで感じたムカムカより強い感覚で目が覚める。そこからは右を向いても左を向いても気持ち悪くて5日間は苦しめられる。

 

だいぶ楽になったと感じるようになる頃には、もうすぐそこに次の投与日が迫っている…。

 

入院9日目

イリノテカン単剤の投与。

前回と同じく投与後すぐにムカムカがくるも頑張って耐える。ここを乗り切ったあとは吐き気はそれほどではなかった。

 

入院11日目

退院。

帰り道は桜が満開だった。

体調もそこそこよく、食欲もあったのでお気に入りのパン屋さんに寄って帰る。

しかし食べたい気持ちはあるのに食べると気持ちわるくなるというジレンマ。テーブルの上には色とりどりのおいしそうなパンたちが手をつけられることなく並んでいた。

 

深夜2時頃。

急な腹痛で目覚める。

トイレに行くと下痢。一旦落ち着き部屋に戻るもそこからは10分間隔ごとに腹痛&下痢。

トイレ前から離れられなくなり廊下で横たわる。

2時間ほどそれを繰り返すと間隔が少し長くなりだした。それでも20〜40分間隔。

出すものももう何もないはずなのにどこから何を出しているのか止まることはなかった。

身体中の水分を出し切ろうとしているかのように思えてこのときは本当に怖かった。

 

朝になり救いを求めて病院に電話すると

「近所の病院で下痢止めを出してもらって下さい

来てもらったら診るけど遠いでしょ?」

 

と言われ絶望する。

私からするとかなりの異常事態だったが、先生からするとよくある副作用の一つだったんだろう。

それでもみんな(Twitter)の病院では

心配なのですぐきてください!と受け入れてもらえてるのに…とみじめな気持ちになった。

 

がんセンターには行けない。

でもどこかで診てもらわないと。

近所の内科に事情を話して夫に連れて行ってもらった。

 

そこでは脱水を起こしていると言われ点滴をしてもらった。

抗がん剤やってるの?こんな状態だったら続けられないんじゃない??」

 

今回たまたまこうなだけで、次回は大丈夫だと根拠なく考えていた私。

 

抗がん剤が原因だから、抗がん剤やったら毎回こうなるよ」

 

そう言われて来週のイリノテカン投与日がおそろしくなったがその日はすぐにやってきた。

 

「下痢、大変だったみたいですね」

こちらをチラリと見ながら抗がん剤のオーダーを打ち込もうとする主治医。

 

「あの…まだ体調が悪いので今日は抗がん剤やめたいんですが」

 

抗がん剤をしたくない

 

そう言うのは勇気がいる。

怒られるというか嗜められるというか。

なぜか悪いことをしているような気分になる。

 

主治医は少し驚いたようだが、わかりましたと一言言ってその日の投与は免除された。

 

重積から解放されて晴れやかな気持ちでその日は帰宅。

しかし逃げ続けるわけにはいかないので、EP療法への変更を模索し始めたのだった。