Everything Went Fine

残された時間で「遺す」ブログ

組織型判明する

January 2021

 
子宮頚部神経内分泌がん
 
非常に進行が早く
悪性度が高く
早期に転移、再発する
 
おまけに
希少がんで標準治療がない
 
頭に浮かんだのは、お釈迦様に糸を切られて奈落に落ちていくカンダタの姿。
 
ステージ1の5年生存率95%
残りの5%ってどういうケースなんだろう?
ちらっと頭の隅に浮かぶもそんなレアケース関係ないとすぐに思考から追いやった疑問。
その答えが今分かったような気がした。
 
私のようなケースだな……。
 
私はこの5%に入るのだろうか。
私が来たばっかりにこの病院の5生を下げることになって申し訳ない。
とかなんとかこの時はそんなことをひどく気にしていたのを覚えている。
 
そこからの記憶はあまりなくて、個室で看護師さんにティッシュを貰いながら何か声をかけてもらったりしたような…。きっと病院で取り乱してしまったんだろう。
 
翌日、A先生から電話があった。
昨日不安そうだったから気になって電話してくれたのこと。
 
組織が何であれやることは変わらない。
私たちはしっかり取り切るようにする。
だから安心して手術にのぞんでほしい。
 
……。(言葉にならない)
 
あれだけの多忙の中、ただの一患者に寄り添って下さる先生。尊敬を通り越して畏怖の年すら感じた。
 
私はこれまで医療を始めとする「公共の福祉」とは程遠い世界にいた。
コンサルタントとしての私は世の中を「ヒト・モノ・カネ」の視点で見る思考が染み付いてしまっていたように思う。
 
私の仕事って何だったんだろう…
 
A先生を始めとするここでの様々な出会いはそんな私にこれまでの人生を振り返るような貴重な機会を与えてくれたように思う。
 
そんなことをいつかの通院帰り、駐車場に向かう道すがら夫に熱く語っていたことを思い出す。
 
そうしたら空気読めない系の夫は
いやコンサルタントだって世の中の役に〜
とかなんとか言い出したのでいやそういうこと言ってるんじゃなくてと反論を始めてしまい私の殊勝な気持ちはあっという間にどこかに消え去ってしまったのだった。